世界でいちばん大切にしたい会社

アメリカで成功している(日本ではなかなか成功者が現れない業態ですが)、オーガニック中心のスーパーマーケットの創業者とconscious capitalismの提唱する教授との協業による、経営書。利益のみならず、顧客、取引先、従業員、地域社会との共生をする経営の在り方を説きます。
しごく全うであり、近江商人の三方よしではないが、昔からある考えを、現代の複雑かつ高度資本主義においても、しっかりやってこうということか。パタゴニアは、地球環境の意識や従業員へのケア、顧客が熱烈なファンであることは、ホールフーズにかなり近いですが、確かに、圧倒的なスケールメリットでビジネスを拡大させるWalmartCostcoIKEAなどもsustainabilityという点ではそうかもしれないが、取引先とのフェアな関係まで含めると、ちょっと拡大解釈なのかもしれない気もしました。とにもかくにも、アメリカに行くと必ず寄りたくなるWhole foods。日本では残念ながらそのポジショニングがない、オーガニックスーパーの経営戦略がこのような発想に基づいていること、そして創業者がカウンターカルチャーが原点にあること(それでいうと大地を守る会に近いが、日本だと宅配ビジネスまでが限界とう実態)を知り、いろいろと腑に落本でした。