グローバリズムが世界を滅ぼす

グローバリズムこそが、経済危機、格差拡大、社会崩壊を生むと訴える学者たちの訴え。
京都大学が2013年に開いた国際シンポジウムでの内容が主。
グローバル化しても、豊かさが実感できない人が多く、2016年のアメリカの大統領選挙でのトランプ氏、サンダース氏の支持は、1%の富裕層への富の集中や、金融機関が世界を操る状況に対して、Noと叫ぶ人々が増えていることの一番の現れ。
この本の議論は、徐々に世界中に浸透してきているということだろうか。ベーシックインカムのような新しい社会制度を模索する国も出てきていたり、人々がグローバル経済活動にばかり目が行きがちだったのが、国がどうあるべきか、を考える必要がでてきたということだろう。なかなか対立軸を出しえない日本の政治がもどかしい。
新自由主義」に異議を唱える、海外と国内の学者たちの考えが1冊でコンパクトにまとまっているので、この手の話のとっかかりとしては良書だと思います。2016年現在でも十分に読む価値があります。