ダイアローグ・マネジメント

コーチングの本である。コミュニケーションという領域は、人間が社会で生きる上で、毎日実践しているなかで、その活動の言語化・体系化については、なかなか積極的に触れる機会がなかったが、「対話」というコミュニケーションが、組織に与える意味合いが、腑に落ちる形で表現されており、「なるほど」と思わせる本である。あなたが、「話し手」として行動するとき、あなたは、相手を「一つの現実」と「一つの生き方」へと招待している
 
これからの組織は、それぞれの部品がフィクスされている「機械」から「水」のようになる。
多様性を受け入れ、「クリエイティビティ」、「イノベーション」が起こる組織を。
 
組織がもつ文化が、顕在化するのは、コミュニケーションである。この本の対話に関する考えは、もっともであり、自分が参加する組織は、そのようなものにしたい。ただ、イノベーションは必ずしもそれだけで生まれるわけではない、「風通しがいい組織」は気持ちがいいだけな感じがする。「対話」X「個の力」なのだろう。結論が当たり前だろ?というのが、コミュニケーション論や社会学などのふわっとした文系アカデミック。人間関係にセンシティブな人は、読んで共感するが、関心がない人は永遠に関心を持たない話でもある。
レビューでは、原本を読むような専門家のような方々?から、訳本として酷評があるようである。そんなに端折っているようなら、この1800円は高く、ちょっぴり残念です。